症候群・徴候・40
Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.768
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203739
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1916年,G.Guillain,J.—A.Barréet A.Strohl (フランス)により「細胞反応を示さない,脳脊髄液蛋白増加を伴つた根神経炎の一症候群について」と題して報告されたものが,後年(1927) S.DraganescuとJ.ClaudianによってGuillain-Barré症候群と名づけられてから,広くこの名が用いられている。この際Strohlの名が加えられなかつた理由は,事の本質からみるフランス流の考え方によるもので,彼は原著の後部に記された電気生理的検査を分担したパリ大学のProf.de physiquemédicaleであるが,本症候群の臨床的重要性に着眼,強調したのはGuillain (パリ大学教授)とBarré(後のストラスブール大学教授)の二臨床家であつたからである。
Guillain-Barré症候群には「症候群」なる言葉が用いられているので,これをHorner症候群と同様に単なるsymptomのcomplexと誤解する向があるが,原因未知の疾患に対し,——一連の定まつた症状の組合わせを呈するところから——症候群の名を付すことがあることは他にもいくつかの例がみられる。
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