症候群・徴候・21
Pourfour du Petit (プルフール・デュ・プチ)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.904
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203596
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逆Horner症候群とも俗称され,Horner症候群とは逆に限交感神経の刺激により生ずる症候群である。すなわち,散瞳,瞼裂の拡大ならびに眼球突出からなる。Horner症候群に前駆してこの症候群の生ずることがあり,従つて病因も大方はHorner症候群に共通であるが,特に末梢神経性障害によることが多く,縦隔洞腫瘍,同リンパ腺腫,大動脈瘤,肺尖部病変,胸膜炎,後咽頭腫瘍,甲状腺肥大などによる頸部交感神経の直接的刺激が原因となる。また頸髄(椎)外傷,頸髄腫瘍,頸髄空洞症などもあげられる。
散瞳,瞼裂拡大,眼球突出に伴なつて出現し得る症状としてはvonGraefe徴候(下方視の際,眼球と上眼瞼の共同運動が障害され,その間に強膜が残る),顔面同半側の血管運動障害や,顔面,頸,上肢,上胸部の半側性発汗などがあげられる。
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