Japanese
English
短報
メチル水銀中毒ラットの網膜の電子顕微鏡的観察
An Electoron Microscopic Study on the Retina of Rats after Methyl Mercury Intoxication
佐藤 猛
1
,
新名 清成
2
,
佐橋 功
2
Takeshi Sato
1
,
Kiyoshige Niina
2
,
Koh Sahashi
2
1新潟大学脳研究所神経病理学教室
2都立府中病院神経内科
1Dept. of Neuropathology, brain Research Institute, Niigata University
2ToKyo Metropolitan Fuchu General Hospital, Musashidai
pp.614-615
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203560
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- Abstract 文献概要
水俣病における視力障害は求心性視野狭窄が特徴とされており,病理組織学的には後頭葉,特に鳥距野の皮質障害が主要病変とされている1)。しかしながら,網膜の変化についてはほとんど報告されていない。メチル水銀をラットに投与し,網膜の変化の有無を電子顕微鏡で観察した。その結果,inner plexiform layerのシナプスに著明な変化をみたので報告する。
体重180〜260gのウイスター系雄ラットの背部皮下にメチル水銀10mg/匹をはじめの2日間に2回に分け注射した。1群を2匹とし,投与開始より7,14,28,36日目にネンブタール麻酔下で,pH 7.4緩衝2%グルタールアルデヒドと8%ホルマリン混合液で灌流固定した。1%オスミウム酸で後固定後,脱水,エポン・アラルダィトで包埋した。超薄切片を酢酸ウラン,クエン酸鉛で二重染色してから電顕で観察した。
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