症候群・徴候・15
Lasègue (ラゼーグ)徴候
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.556
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203551
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坐骨神経痛の徴候の一つとしてよくしられているが,Kernig徴候〔症候群・徴候14参照〕との相違が曖昧なまま使用されることがしばしばである。
仰臥位の患者で膝を伸展せしめたまま,足をもち上げると,臀部から下肢後面の坐骨神経の走行に沿つた痛みを生ずる。健常者でも下肢を高く挙上すれば下肢後面に痛みを感ずるので,股関節で70°以下の挙上でも痛みを生ずるときLasègue徴候陽性とされる。痛みが現われた後,さらに高く足を上げようとすれば,患者は痛みのため膝を曲げようとする。Lasègue徴候とKernig徴候とは同様な手技(足挙上)で同様な現象(膝屈曲)がみられるので,両者は混同されるが,前者では痛みが本質であつて,それを防ぐため,和らげるための膝屈曲であり,後者では下肢屈筋群の筋緊張亢進(いわゆるBeugekontraktur)による膝屈曲で痛みを生ずるとしても副次的なものであり,これらは根本的な相異である。
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