Japanese
English
神経疾患アトラス2
家族性アミロイドニューロパチー
Familial Amyloid Polyneuropathy
金沢 一郎
1
,
塚越 広
2
Ichiro Kanazawa
1
,
Hiroshi Tsukagoshi
2
1東京大学医学部脳研神経内科
2信州大学医学部第三内科
1Department of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2The third Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Shinshu
pp.686-689
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203328
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Amyloidosisは,血管を中心とした間質に(glyco-)proteinであるAmyloidが沈着する全身疾患である。一般的には神経系への沈着はきわめて稀であるが,特殊な型として神経しかも末梢神経に最も強いAmyloid沈着をきたすものがあり,Amyloid polynenuropathyとして注目されている。この型は多くは家族性であり(常染色体性優性)孤発例もあるが少ない。臨床型としては下肢に強いPolyneuropathyではじまることが多いが,かなり長期にわたり温痛覚が強く障害され,知覚解離を示すことが特徴とされている。その他自律神経障害としての起立性低血圧,性欲減退,発汗異常などを高頻度に示すことも通常のpolyneuropathyとは異なる点である。従来稀であるとされてきたこのFamilial Amyloid Poly—neuropathyも,荒木らの研究以来,日本ですでに8家系が見出されており,今後はその症例数の増加とともに,末梢神経に主としてAmyloidが沈着してゆく機序等について本格的な研究が行われることが期待される。本稿では東大神経内科において経験したFamilial AmyloidPolyneuropathの症例を呈示し,今後の参考に供したい。
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