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Hand-Schuler-Christian病(HSCD)は慢性びまん性reticuloendo—theliosisと解され,その半数に身体発育障害がみられる。このgrowthretardationの原因は色々あげられたが,histiocytosisの例にgrowthhormone欠乏にもとつく発育障害があったところにヒントを得,著者らはGH分泌障害を原因と考えた。biopsyで確認したHSCD 13例,♀6,♂7,いずれも本症特有の症状2個以上を具備。うち8例は身長が3rd percentileである。思春期後の2例は倭人症。3例のみ正常。この発育障害がある例も営養は良好。vasopressinの治療をうけ,10例ステロイドが与えられている。さてGH産生provocative testをpyro—gen, insulin, arginineで行なつたところ,発育障害8例のうち7例は血漿GH濃度が十分に高くならぬ。すなわち血漿GH最高<1.0-6.9Ng/mlにとどまった。正常身長のものは12.5-89.3Ng/mlにまで上昇した。即ちGH産生が不十分なことが明らかである。gonadotropinの産生はimmunoreactive FSHの血漿濃度で11例正常,amenorrheaになつた1例のみ低かったが,しかしclomiphene投与でLHもFSHも上昇したから視床下部—下垂体—性腺系は正常であろう。甲状腺系はTSH, PBI, T3 resin uptake, T4濃度からみて13例みな正常であつた。副腎機能はpyrogen, insulinに対するcortisol上昇,metyraponeテストで,正常域にあつた。従ってHSCDの倭小はGH deficiency,刺激に耐するGH分泌欠乏基につくことが明らかになつた。
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