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Weber-Christian病の1例
佐野 栄春
1
,
白川 雅己
1
1神戸医科大学皮膚科泌尿器科教室
pp.295-299
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201678
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皮下脂肪織の慢性限局性炎症及び萎縮に関しては,1892年Pfeiferが"Über einen Fall vonherdweiser Atrophie des Subcutanen Fettgewebes"と題して報告して以来,Rothmann(1894),Kraus(1903),Gilchrist & Ketron(1916)等の記載があり,次いでWeber(1925)が"Relapsing Nonsuppurative Nodular Panniculitis"として,Christian(1926)はそれに"febrile"の語を附加して"Relapsing Febrile Nodular Nonsuppurative Panniculitis"と題し,それぞれ記載報告した。その後専らChristianの付した題名が本症の症状を特徴ずけるものとして用いれているが,逐次症例が増加するにつれ,その定義からはずれる例もみられるので,最近ではむしろWeber-Christian病として呼ばれることが多い。本症は甚だ稀な疾患であるが,欧米では早くより注目され既に現在迄100例に近い報告が挙げられるが,本邦に於ては未だ報告例に乏しく,横山・籏野(昭26)が皮膚筋炎を伴つた本症の第1例を報告して以来,伊藤の1例,谷村等の3例,山田等の1例,高川・横井の1例,総数7例を算えるに過ぎない。
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