脳動脈瘤の手術

OPERATIONS OF INTRACRANIAL ANEURYSMS

　脳動脈瘤（嚢状動脈瘤）は周知のようにクモ膜下出血の原因の最右翼をしめるものである。たとえばヘルシンキのBjorkesten^2）の教室の統計ではクモ膜下出血の患者に脳血管撮影（左，右頸動脈と左，右椎骨動脈）を行なつたところ，75％に動脈瘤が発見されたというし，1958年から1965年にかけて米国で行なわれたクモ膜下出血の大規模な調査（Cooperatite Study of Intracranial Aneurysmsand Subarachnoid Hemorrhage）では，5,431例のクモ膜下出血症例の51％に動脈瘤が見出されたという^7）。しかもこの統計によれば，保存的療法では脳動脈瘤の約70％は結局出血を反覆して死亡してしまう^8）というのである。ここに欧米で脳動脈瘤が脳神経外科の主要な対象と見なされている理由があるのである。本誌の依頼により以下に教室で実施している脳動脈瘤の手術手技，治療方針などにつき簡単にしるす。

The operative techniques routinely used in ourclinic of intracranial aneurysms, especially micro-surgical techniques were described. Recent statistics showed that out of 225 cases of intracranial aneu-rysms, 200 cases were submitted to direct intracranial operations. The mortality rate was 4. 5% with remarkably little morbidity.

The importance of microsurgical techniques was stressed.