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HgでもTcでも注射後いつscanをとるのが腫瘍に最適か問題で,Tauxe (J. Nucl. Med. 10:34, 1969),本邦では半田らがTcでは3時間後を推賞している。著者らは2年間1500例のTc scanから80例の腫瘍を得,intervalを論じている。Tc99m 15mc注射1時間で,singleないしmultiple probe scannerで検し,正常,equivocal,中等度異常,高度異常という判定をする。80例のうち40例はくり返しscanを24時間までのうちに行なつた。1時間像がnormal,equivocal 15例,その14例はrepeated scanを行なった。7時間以内12例,18-24時間以内2例。残る1例は脳底chondrosarcomaでscan normal,Sr85でやっと発見。原発脳腫瘍6例,転移癌9例がっまりこの15例であつた。それを1〜7時間で繰返し走査し,原発4例,転移8例(計12例)異常と判定。さらに18〜24時間で原発1例,転移1例(計2例)異常と判定された。原発では3時間にradioactivityが最高になり,24時間では激減する。acoustic-neuroma,(2例,7時間内),astrocytoma (2例7時間内,1例18〜24時間内)が繰返し走査で発見された。転移では肺癌転移(2例),乳癌転移(3例),原発不明腺癌(2例)などが7時間以内のrepeated scanで発見され,細網肉腫1例が18〜24時間で発見された。repeated scanを加えTc99mで発見率93%だが,1時間でfalse normal5例(astro,chromophobe,chondro—ma,angioblasloma,肺癌転移の各1例は繰返しをうけず手術し確めた)を加えると,発見率はもつと高くなる。1時間像の発見は80%以下である。著者らはTc99m注後3〜4時間が最高detectabilityを示すとしている。尚あやしければ18〜24時間の走査を行ないたい。
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