特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
総コレステロール(TC)
小菅 清彦
1
,
武城 英明
2
,
齋藤 康
1
1千葉大学大学院医学系研究科細胞治療学
2千葉大学大学院医学系研究科臨床遺伝子応用医学
pp.250-253
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101792
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コレステロールは血中でトリグリセリド(TG),リン脂質などの他の脂質成分やアポ蛋白とともにリポ蛋白を形成して存在している.血中コレステロールの変動はリポ蛋白の変動と密接に関与し,リポ蛋白が増加したり,異常リポ蛋白が存在することにより血中総コレステロール(TC)値が変動する.TCはコレステロールエステル(CE)と遊離型コレステロール(FC)の総和である.リポ蛋白の数や質の変動はさまざまな病態とともに認められる.その中で最も日常診療で問題となるのは血中TC値が高い場合であり,いわゆる高コレステロール血症である.本稿では主に高脂血症におけるTCの異常値の出るメカニズムと臨床的意義について述べる.
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
高脂血症は増加したリポ蛋白によりWHO表現型分類Ⅰ~Ⅴ型に分類される(表1).増加したリポ蛋白の判定法として超遠心法やポリアクリルアミドゲル(PAG)電気泳動などがあるが,日常診療では容易でなく,血清静置試験または血清脂質値(TC値,TG値)から,表1に示すように増加しているリポ蛋白が推測できる.TC値の異常の出るメカニズムとして,これらのリポ蛋白が増加または減少することが挙げられる.その中で,TC値の上昇する病態をWHO分類に則して述べる.
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