書評
—吉井 信夫著—図説 脳波検査の実際
稲永 和豊
1
1久留米大学
pp.558
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202906
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さきに「脳波のとり方とよみ方」を著わされた吉井博士によつて「図説脳波検査の実際」が完成された。今迄わが国ではかなり多くの脳波の教科書が出版されているので,吉井博士がどのような点で御自身の特色を出そうとしておられるかを大いに楽しみにしながら読ましていただいた。先ず脳波とはどんなものかということから書き出してあり,次いで脳波計のしくみが説明されている。この部分は電気的な基礎知識があまり専門的にもならず,消化しやすいように記載されている。もちろん脳波検査技師の人々にとつては大切な項目であり,一読の価値はあるが脳波を判読する医師にとつても理解しやすいように説明されており,またトランジスタについての解説も加えられており,時代の要求にもそつている。
検査室の構成とシールドルームの項は実際に検査室を新設する時に役立つように説明が加えられている。
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