書評
柳澤信夫,柴﨑 浩(著)「臨床神経生理学」
玉置 哲也
1
1和歌山ろうさい病院
pp.1062
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101640
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検査と疾患の双方向からアプローチが可能
「臨床医学を支える基礎学問領域のなかで,神経・筋疾患における生理学ほど臨床に直結した分野はない」と序文が書き出されています.この文節は,国内のみならず国際的にも高名なお二人,すなわち柳澤信夫先生,柴﨑浩先生が出版された『臨床神経生理学』を貫く基本的理念を端的に示しています.
お二方のご経歴をみますと,柳澤信夫先生は,神経生理学者として,また米国の神経学の創始者としても高名なDenny Brownのもとに留学され,柴﨑浩先生は神経学のメッカともいえるQueen's Squareで視覚誘発電位を初めて記録したHalliday AMのもとで学ばれました.その後,柳澤先生は脊髄を中心とした運動系,柴﨑先生は感覚系とそれを統合する高次脳機能を,それぞれの専門分野とされ,基礎的,臨床的研究に貢献してこられました.お二人は,わが国のみならず国際的にも高く評価されている臨床神経生理学者であり神経内科医であります.そのお二人が,得意分野を担当され,基礎的知識に始まり最新の研究成果までをまとめられた得難いテキストが本書であります.
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