書評
—Barry Wyke 著—Principles of General Neurology—An Introduction to the Basic Principles of Medical and Surgical Neurology
時実 利彦
1
1京大
pp.622
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202730
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基礎医学と臨床医学を問わず医学の分野で,近年とみに,神経科学neurological science, neuroscienceの重要性が強調されるようになった。生体機能についての古典的な分類による動物性機能も植物性機能も,結局は,脳を中枢にした神経系(ホルモン系を含めて)によつて統御,調整されているということを考えれば当然のことである。
この書物は,ロンドン大学の基礎医学研究所における応用生理学の講師であるB. Wykeが,題名からもわかるように,特に神経病学の研究や教育に携わつている人や神経系の疾患の診療にあたつている人に対して,神経科学の基礎知識を体系的に与えるために書いたものである。その意味で,現代の医学界において強く要求されているものに答える好適の書物といえよう。これまでにも,たくさんの類書が出版されているが,この書物ほど,理解しやすく体系的に書かれたものはないといつてよい。
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