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進行乳癌にいつ内分泌療法を行なうべきか,メタがあればただちに内分腺切除をという臨床家もあり,ホルモン療法の結果をまつという臨床家もあり,一致しない。閉径以前の患者は卵巣が活動しているから,再発・メタ発見と同時に卵摘にふみきることで反対は少ない。しかし閉径後となると,副腎か下垂体を切除することになるが,必ずしも安全ではなく,かつ,永久的な維持療法を要する。といつてホルモン療法の結果を待つたのでは,内分泌腺切除の奏効率が下る。著者らは月経については閉径前(a),2〜5年後(b),5年以上(c),すでに卵摘(d)をパラメーターとし,乳房切断後のfreeintervalは0〜1年(a),1〜5年(b),5年以上(c)という示標をおき,病巣は限局性(a),転移性(b)とし,119例にYt90 implと対照との比較をこころみた。原発巣そのままあり,月径が(a)14例,(b)8例,(c)20例,(d)1例(計43例),断乳後free interval (a)では月経(a)9例,(b)5t例,(c)13例,(d)5例(計32例)。free jnterval (b)では月経(a)12例,(b)4例,(c)20例,(d)8例(計44例)。限局型でYt90 impl 22例,Yt入れず25例。転移型でYt90 36例,非使用36例。したがつてYt90 implは計58例である。このうち閉径後26例,前(卵摘20,レ線閉径3,卵摘不成功2など)32例。58例のうち54例はpartner死亡,対照が先に死亡28,Yt照射が先に死亡25,この差は有意でない。限局型と転移型に分けても有意差なし。Yt90とpartnerともに死亡41組,その平均生存期閥は有意差なし。閉径前と後とでも有意差なし,骨転移ではYt55.3w対照39.9w,内臓転移ではYt37.4w,対照,18.3w,肺転移では25.1wと18.7wこれは有意差。以上から見て早期にYt90 implは何の効もない,かえつて有害のことがある。
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