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書評「Medical and Surgical Diseases of the Pancreas」
竹内 正
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.342
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106794
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近年,膵臓に関する学術書が多く刊行されている.この中には持ち歩くことのできないような分厚い専門書もあるくらいである.
ここに手にした医学書院発行の英文書,“Medical and Surgical Diseases of the Pancreas”は,200頁足らずの小書ながら,最近までの膵に関する知識のエッセンスを網羅しており,膵の細胞生物学,生理学から膵疾患の病態生理,診断法,治療法に至っている.すなわち,本書を構成する14章は,1.膵の生理学,2.急性膵炎の分類と病理,3.膵炎の病態生理,4.急性膵炎の臨床症状,5.急性膵炎の画像診断,6.急性膵炎の治療,7.仮性嚢胞と腹水などの膵炎の局所合併症,8.急性膵炎の全身的合併症,9.慢性膵炎,10.慢性膵炎の診断,11.慢性膵炎の放射線診断学,12.慢性膵炎の治療,13.乳幼児の膵疾患,14.膵癌,から成っており,豊富な内容である.いずれの章も簡潔明瞭な記載で,最近までの確認された事実がよく整理され,わかりやすく書かれている.文献は,客観的に重要なものが最近に至るまで選ばれており,引用数は足りないと思うが,本書の性質上やむをえないであろう.
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