書評
—上村卓也・鈴木淳一・朴沢二郎 著—神経耳科学検査法 とくに平衡機能検査について
椿 忠雄
1
1新大
pp.862
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202427
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私は臨床神経学を専門としているが,最近この領域の進歩発展は目ざましく,到底,われわれ内科医の手が届かぬところまで発達してしまつた。この比較的耳新しい言葉「神経耳科学」で表現される領域はまさにこの領域であるといえる。本書はこの新しい領域に対し,詳細に解説されたものである。
めまい,平衡障害は私の科を訪れる患者の訴えの中でもつとも多いものの一つであるが,この診療に対し平衡機能検査で大きな位置を占めることは論をまたない。本書は平衡機能検査を世体としながら,さらに将来への大きな視野を持ち,神経耳科学検査法ということばを用いたものと思われる。それだけに内容の各所に従来の平衡機能解説書と異なつた意欲で見られる斬新な書物となつている。
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