講座
筋疾患の病理学的診断の実際<第2回>
里吉 営二郎
1
,
木下 真男
1
1東邦大学医学部阿部内科
pp.227-232
発行日 1968年3月1日
Published Date 1968/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202356
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III.診断の基本的考え方 その2
4.再生線維regenerating fiber
著明な核小体を有する大きな胞状の核があり,その筋線維のsarcoPlasmがbasophilicであれば再生線維である可能性が高い。筋線維の再生に関しては種々の報告があり,障害を受けた線維から連続的に再生するとの説14)と非連続的にmyogenesisと同じような過程を経て再生する説15)とがあるが,最近ではこれらのどちらもが見られるといわれている16)。いずれにしても再生線維が筋中に認められれば常識的にはその筋がなんらかの障害を受けたことが推定され,筋線維自体の病変,すなわちmyopathyの存在が考えられる。neurogenic lesionでは前述のように筋線維自体の構造の変化をきたすことは比較的まれで,したがつて再生現象を見ることも比較的まれである。myopathyにおいても必ず再生が見られるとは限らないが,病勢が急である症例,あるいは炎症を伴つた症例では見られることが多い。
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