連載 脳の病理組織学の手引き・11—HISTOPATHOLOGY OF THE BRAIN
V.間葉性(中胚葉性)組織の病変 その2
武谷 止孝
1
1九州大学医学部神経精神医学教室,脳病理研究室
pp.85-97
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202337
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6.血管壊死
「血管壊死」という言葉は,広い意味と狭い意味,あるいは「普通の意味」と「特別の意味」に用いられる。
広い意味あるいは普通の意味では,「血管の壊死」ということである。すでに述べたように(武谷,37:79,83),「壊死」とは「生体の一局所の組織の死」をいう。そして壊死をもつとも特長づける組織像は,細胞核の変化,特に核崩壊・核融解・核消失などである。さらに,間質にも膨大・崩壊・融解・析出・周囲組織からの侵淫・浸潤などが加わる。したがつて,血管壁に上記の諸変化が確認されれば,いつでも血管壊死といつてよい。
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