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I.はじめに
左右の大脳半球を結ぶ交連線維のうち,ことにneo—cortexを連絡する脳梁の機能に関しては古くより多くの研究者により,種々なる方法で研究1)3)4)6)8)12)16)18)が行なわれてきたが,ほとんど不明の域を出ない。最近,脳梁の機能を行動観察的に知る手段の一つとして脳梁切断動物による弁別学習がMyers (1955,1959)14)15),Sperryら(1956)19)によりネコについて,EttlingerとMorton(1963)5)によりアカゲザルについて,Biankiら(1964)2)Sheridan (1965)17)によりラットについて報告されている。これらの研究者の実験方法は被験体,装置および手続のこまかい違いこそあれ,すべて弁別学習の転移を検討しているものであり,しかもその結果はすべて特筆すべきものを得ていない。
私どもはこれまで多くの研究者によりいまだ解決せられていない脳梁の機能を,ある行動で調べるときには,さきに述べた研究者たちが行なつたような方法のほかに,その行動の学習メカニズムが弁別学習よりも簡単なものであると考えられるような反応(たとえば逃避反応)の学習について検索する方法があると考え,まず簡単なものとして脳梁切断ネズミに逃避学習を行ない,このような低次元の学習でどのような影響があるかを検索したところ,二,三の新知見を得ることができたので報告する。
Seventeen callosum (posterior part) sectioned and fourteen normal albino rats were trained to escape from electric shock in the Mowrer-Miller box. On the training trials, escape performance of both groups were not different significantly, but on the extinction trials, resistance to extinction were high in normal subjects significantly. It was suggested that the callosum-sec-tion would also affect learning of simple response other than the transfer of discrimination previously.
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