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特集 慢性硬膜下血腫(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
慢性硬膜下血腫の出血源
Bleeding Source of Chronic Subdural Hematoma
川淵 純一
1
1群馬大学医学部脳神経外科
pp.693-701
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202077
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I.はじめに
慢性硬膜下血腫(以下CSHと略す)の成因に関してはVirchow (1857)23)のPachymeningitis haemorrhagica interna説以来,Trotter (1914)21)の橋静脈出血説をはじめとしてさまざまあるが,いまだに定説に達していない。いずれにしても疾患が慢性であるた出血源を適確につかむことはきわめて難かしい。しかし近年脳皮質血管ことに動脈性出血由来のものも,その報告数が増え,また脳皮質損傷による出血を強調する論文もある8)。しかし一方どうしても外傷その他の既往のみあたらないものもあり,一般に"特発性硬膜下血腫"と呼ばれている。われわれは1963年4月日本外科学会において,手術所見からみたCSHの出血源にっいて報告したが12),その後さらに例数を重ね,臨床像の種々相,手術時採取した硬膜,血腫膜の組織学的研究を行なつてきたので,その結果から考察を加えてみた。
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