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特集 慢性硬膜下血腫(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
慢性硬膜下血腫の成因に関する検討
On The Etiology of Chronlc Subdural Hematoma
藤本 和男
1
,
篠宮 昌衛
1
,
吉沢 弘二
1
,
藤村 秀
1
,
飯倉 衛
1
,
河野 明由
1
1東京慈恵会医科大学大井外科
pp.689-692
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202075
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I.はじめに
近来,一般的には,慢性硬膜下血腫というものは頭部外傷の後,相当の期間を経過した後に症状を現してくる硬膜下の被膜に包まれた巨大な血腫であると考えられている。
この血腫の成因については,現在までに多くの議論がなされたが,その問題の中心は血腫の成立機序が硬膜下に出血貯溜した血液が時期的に慢性期に入つてencapsu—latedの状態になるものか,あるいは硬膜自身の病的変化が基盤となつて硬膜内に出血を繰返すものなのか,出血源はどこにあるのか,また,これと関連して成因に外傷性因子を重視すべきか,素因を重視すべきかなどであるように思われる。
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