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ポーランドPoznán大学脳外科。21例の観察。入院時膀胱はatonische Lähmungにあり,Blasenautomatis—musを促進し,膀胱感染を防ぐ目的で研究した。原則としてカテはおかない。4例だけときどきカテ挿入。感染に注目していたが3例に感染が加わり,膀胱瘻発生1,副睾丸炎1,他は尿道狭窄を招いた。最初24時間は手で膀胱を強圧し内括約筋(Hesse輪収縮)を刺激した。しかし,これで尿量の60-70%が排出されるにすぎない。数日以上はつづけない。10例にtidal drainage法で自動的膀胱洗浄(3%ホー酸液ないしpH4.3のM液),うち3例のみ末期に感染加わり,失敗。本法は膀胱壁を弛緩し拡張させ,内圧をたかめないので麻痺の初期によい。第2期および第3期はじめには,膀胱壁の圧が亢進し膀胱容積が減る。2期(autonom期)はまだ壁が弾性あり,乏しい筋収縮で内容は排泄しうる。第3期(automatic期)には弾性なく,常置カテに似せて15〜20cmH2Oで持続洗浄。この付近に著者の苦心がある。目的は一定の時間に一定の圧で排泄を行なわせること。洗浄は小さなモーターを使い直流交流につなぐ約15ワット。入れたり出したりに苦心がある。圧は液容器の高さで変化させる。充満は3-6時間,排泄はもつと短時間。すべてAutomatismusにおちいつた膀胱には,新しくできた排泄反射を完成させるために,排泄をやめ,残尿を防ぎ,膀胱筋力を強める努力をする。Munro(JAMA 122: 1055, 1943)より液を多くする。Blasenautomatismusは著者法で大体2-3週に発来,第4期末には膀胱容量120-350 ccで,続発性の尿管拡張はおこらなかつた。また常置洗浄で,抗生物質を与え感染を早期に抑制しえた。
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