特集 脳底部に異常血管網を示す疾患群をめぐつて
脳底部内頚動脈血管腫奇形の剖検例について
牧 豊
1
,
中田 義隆
1
1干葉大学医学部神経科
pp.764-766
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201894
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I.はじめに
この種の症例の取りあげ方には,1)特有な血管写像を中心に考える。2)臨床像を主体に考える。3)1)と2)とを当初から1疾患単位として疑つて考える。などの発想法があり,わが国の報告もいずれかを意図したものがある。したがつて,その立場より症例収集の重点と志向する問題点がおのずと異なる。
著者らは一応第3の立場をとり,その臨床的特徴をかりに,1)両側性の脳底部血管異常 2)初発年令がきわめて若年 3)反復する多彩な神経症状,などに集約すると自験例は2例(うち1例剖検)ということになる。したがつて,2例ともきわめて類似した症例である。著者らが奇形だと考えるにいたつた剖検所見を明確にすることがさしあたりの義務と考え,とりあえず要約のみを報告する。
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