書評
—Herbert G. Birch 編—BRAIN DAMAGE IN CHILDREN The Biological and Social Aspects
高橋 哲郎
1
1東大医学部神経科
pp.572
発行日 1965年6月1日
Published Date 1965/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201861
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約30年来,脳損傷児がいろいろな行動障害を示すことがしだいに明らかになつてきている。脳損傷児の行動は正常なこともあれば,とくべつな学習障害を示すこともあり,また精神薄弱と区別できないような行動や,歩行,遊びに不器用さを示すこともある。また社会的,情緒的に,潜在的なまたは精神病的な問題をもつていることもある。そして症状は出生時に明らかである場合もあるし,成長期に近づくにしたがつて初めて認められてくる場合もある。
このように原因や症状,行動の表現のしかた,そして初発年令がさまざまであることは,脳損傷児に関係している両親,教育者,ソーシャルワーカー,小児科医,心理学者,精神科医にとつては,しばしば頭の痛い問題となる。
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