話題
Mount Desert Island Biological Laboratoryについて
星 猛
1
Takeshi Hoshi
1
1東京大学医学部生理学教室
pp.487-491
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903577
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今年の夏,米国のMaine州にあるMount Desert Island Biological Laboratoryを訪問し,2週間程滞在してつぶさに所内を視察し,多くの研究者ともゆっくり討議する機会を得たので,同研究所の概要を紹介したいと思う。今回の訪問は現在所長(President)をしておられるDr. Bodil Schmidt-Nielsenの招待によるものである。
米国には夏季(6〜9月)に,各地の大学や研究施設から生物学,医学の分野の研究者が大勢集まり,有料の実験室を借りて,各自の研究あるいは他の研究者との共同実験を行ない,かつセミナーなどを通じて活発な情報,意見の交換を行ないつつ過ごす為の研究所が2つある。1つは規模も大きく,日本では神経生理学,発生生物学,生態学関係の人々の間でも良く知られているWoods Hall Marine Biological Laboratoryで,もう1つが今回紹介したいと思うMount Desert Island Biological Laboratoryである。後者は規模も小さく(Woods Hallの約10分の1),研究分野も比較生理学,比較生化学,特に体液調節に関連した腎,腸,鰓その他の上皮系のイオンや非電解質輸送の問題が伝統的に主として扱われて来ているので,わが国ではその分野の研究者が少ないこともあり,Woods Hall程は良く知られていないように思われる。
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