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満期より11日おくれて生まれた4000g,53cmの新生児,外性器がintersexuelで男性仮性半陰陽,chro—matin (一)。この新生児の頭蓋小(周33.5cm),非対称的,右後頭扁平,前額突出,Epikanthusを伴つて両限距離開大,小顎,耳殻大きく厚く下方附着,前腋下線で肋骨は直角をなし胸廓はkastenförmigで広く扁平,四肢異常なし。新生児寅疸(ビ20.8mg),第5日呼吸停止にて死亡。剖検するに小頭症,後頭葉hypoPlasie, Corpus callosum無形成,Hydrocephalus internus (前角形成不全)。両腎は中央にて癒合し馬蹄腎。睾丸は仙椎岬より上節に停留。以上が主な変化である。染色体45で,D群が4個しかない。他に1個,両長腕がひどく長い異常染色体あり。この異常染色体はD群の2個の間にreciproke Translokationが生じたためにできたものと解される。両親,同胞には異常なしWang(Nature 195:733,1962)はreno—faciale Dysplasieを記載,本例によく一致するが,その染色体はD群に1個のRingchromosomが見られた。D群に欠損のあるD1TrisomieはTherman (Port. Acta biol. 7:211, 1963)例のように口蓋破裂,多発血管腫,四肢異常などを上記の他に合併している。Forteza (Med.esp. 51:82, 1964), Delhanty (J.ment, def. Res. 6:38.1962), Zellweger (Helv. paed. Acta 17:290,1962)のDTriscmieも白痴(低脳),小頭,水頭などの他に口蓋,破裂,小顎など顎異常,四肢異常があり,本例とは相異している。心奇形,泌尿性器奇形はあつたりなかつたりで,E群Trisomieと区別できず,本例には心奇形なし。
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