書評
—S. BROCK & H. P. KRIEGER 著—THE BASIS OF CLINICAL NEUROLOGY
椿 忠雄
1
1東京大学脳研究所
pp.579
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201668
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この書物はNew York大学前教授Dr. Samuel Brockの著書としてすでに3版をかさねてきたが,今回Mount Sinai HospitalのDr. H. P. Kriegerが著者に加わり第4版が出版された。私は旧版に接していないので今回どのように改良が加えられたか詳しくは知らないが,かなりの新しい文献が引用され,また新しい知識もとりいれられていることは各処でみられる。
本書はその題名でも明らかのように臨床神経学の教科書ではなく,臨床神経学の基礎を教えるものである。すなわち,項目順に述べると,I.緒言,に続いて,II.末梢神経,III.脊髄の解剖,IV.運動系における脊髄の役割り,と続き,V以下では脊髄の機能を各面より扱い,脊髄循環について述べ,X〜XIVは脳幹の解剖,生理,血流循環を扱い,XVはEpithalamusをXVIは脳基底核と錐体外路系を扱つている。XVII以下は大脳について,その全体としての構造と機能から始めて,前頭葉,側頭葉,頭頂葉,視覚路,後頭葉,辺縁系,嗅覚,Com—missure,内包を主に機能的な面よりながめている。XXI.姿勢,XXII.自律神経系とその機能,XXIII.脳血管支配,脳血管写,XXIV.髄液,気脳写,脳室写,XXV.筋電図,XXVI.脳波,で項目を終り,最後に文献が加えられている。
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