海外だより
フライブルグ大学脳神経外科に学ぶもの
杉田 虔一郎
1
Sugita Ken-ichiro
1
1名古屋大学医学部橋本外科
pp.534-535
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201662
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■四百年余の伝統
フライブルグ(Freiburg)は西ドイツ西南のはずれ,フランスとスイスの国境近くにある人口13万たらずの大学都市である。フライブルグ大学は数年前に400年祭をした古い歴史をもち,Prof. Aschoffから現在Prof. Büchnerに引きつがれた病理学教室には数多くの日本病理学者の名が残つている。また現在内科の教授をつとめているHeilmayerの名は日本でも知らない人はないであろう。
さて神経系では神経学と神経生理学の両野にまたがるJung,神経学と神経解剖学えお巧みに両手の武器としているHassler (写真:本ページ右下),そして脳外科のRiechert (写真:次ページ左下中央)の3教授で代表される。Jungの研究室には以前に東大の秋元教授,笠松教授,名大村田助教授など多くの先輩がおられたが,現在約30床の病室と地下に狭い2つの実験室があつて,15人たらずの医局員が神経経生理の基礎実験と神経学の臨床を渾然一体となつて進めている。Jungがかつてそうであつたように,全医局員も臨床と基礎実験のどちらにかたよることもなく車の両輪のごとくにおし進めている姿はわれわれ日本の現状と比べて誠に羨ましい。
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