--------------------
編集後記
田椽 修治
,
編集部
pp.540
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201663
- 有料閲覧
- 文献概要
■6月初旬にロサンゼルスで米国精神医学会の第120回年次総会が開催され,日本からも多くの精神医学者が参加し盛況であつた。しかし,盛沢山の演題の中に,大脳生理学や生化学に関するものはあつても,大脳病理学や神経学に関連したものがみたらなかつたことは,日本からの参加者にとつて少し淋しい気持ではなかつたかと思う。もちろんこれは米国では精神医学と神経学とが完全に分化していることによるのだろうが,われわれ日本の精神医学者は神経学に対する報着をすてることのできないものが大部分なのである。学問の「分化と統合」は常に論議される問題でありながら,なかなか解答の得られぬむずかしい問題でもある。これは雑誌の編集についても考えなければならないことはもちろんであろう。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.