特別講演
Dr. T. Rasmussen紹介
佐野 圭司
1
1東大脳神経外科
pp.623
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201495
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教授は1910年米国ユタ州に生れた。厳父は神経解剖学者として令名をわが国にも知られているAndrew T. Rasmussen教授である。父上の転任に伴いミネアポリスに移り,そこの大学を卒業してからMayo Clinicで神経学の修練を受けた。その後カナダのモントリオールにあるMcGill大学付属のMontreal Neurological InstituteでPenfield教授について脳神経外科を専攻するようになつた。その間第二次大戦にも従軍し,ビルマ戦線で苦労もしたようである。復員後同大学の講師となり,さらに1947年シカゴ大学の脳・神経外科教授として招かれ,1954年恩師Penfield教授が引退したあとをついでMcGill大学の脳・神経外科および神経学の教授に就任したのである。このあとしばらくはPenfield教授はMont—real Neurological Instituteの所長として残つていたが1960年にはその職からも完全に引退したのでRasmussen教授が所長に就任し,ここに名実ともにPenfield教授の後継者となつた。
この経歴からもわかるようにRasmussen教授はPenfield教授の愛弟子であり,一心同体の存在であつた。したがつてPenfield 以来のてんかんの研究がいぜんとして同教授の——したがつてMontreal Neurological Insti—tuteの研究の中心であるのは当然であろう。
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