Japanese
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特別講演
コーチゾンと脳浮腫
CORTISONE AND BRAIN EDEMA
畠中 坦
2
Theodore Rasmussen
1
1Montreal Neurological Institute, Dept. of Neurosurgery, McGill Univ.
2東京大学医学部脳神経外科
pp.621-623
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201494
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1956年から1957年にかけ,モントリオール神経学研究所において下垂体腫瘍,クラニオファリンジオーマの手術症例を内分泌学的見地から分析した。その結果これら腫瘍の手術死亡率はコーチゾンの導入後いちじるしく減少していることを認めた。それと同時に,下垂体機能低下をほとんど,あるいはまつたく有しないものにおいてコーチゾン使用による死亡率の減少ないし症状改善が下垂体機能低下を有するものにおけると同様であるという事実に驚かされたのである。このようなコーチゾンの効果は,下垂体副腎皮質系を介するものではなく,その非特異的作用—すなわち脳のcrucial partでの脳浮腫をコーチゾンが防遏,抑制する効果によるものであろうと考えた。
そこでこのようなコーチゾンの効果を判定するためにわれわれが従来から比較的一定した術式によつている焦点性てんかんの側頭葉切除術症例をコーチゾン投与群と非投与群とに分けて比較してみようとした。これらの症例はすべて同一の術者(Rasmussen)によつて行なわれた。
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