Japanese
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研究
定位的蒼球手術の自律神経およびメコリール・テストにおよぼす影響について
EFFECTS OF STEREOTAXIC OIL WAX PALLIDOMY ON AUTONOMIC NERVOUS SYSTEM AND MECHOLYL TEST
丸山 博
1
,
鈴木 昌樹
1
,
楢林 博太郎
1
Hiroshi Maruyama
1
,
Masaki Suzuki
1
,
Hirotaro Narabayashi
1
1神経学クリニック
1Neurological Clinic
pp.449-455
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201469
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I.緒言
脳性麻痺患児にはしばしば強い自律神経症状がみられることが多い。間脳の自律神経中枢,あるいはその関連機構が傷害されれば,当然このような症状がみられてよいわけである。事実,核黄疸後遺症でアテトーゼ型の病型を示すものは強い自律神経症状を示すことが知られており1),この病型では脳基底核の障害が強く,自律神経症状がこれら諸核の障害に関連していることを一応考えることができよう。一般に脳性麻痺患児に共通してみられるのは,顔面蒼白,四肢の厥冷,発汗過多,流涎,瘠せ,便秘などであり,さらに中枢性発熱いわゆる高熱症候群や,週期性嘔吐症状などがみられることもある。
神経学クリニックにおいては,脳性麻痺患児の異常な筋トーヌスを軽減して,運動機能の改善をはかるためにstereotaxic oil wax pallidoto—my or VL-thalamotomyを行なつている2)3)4),これらの手術のあとでは,血色が良くなる,冷たかつた手足が温かくなる,よだれが少なくなる,汗をかかなくなるなどの変化が多くの場合にみられ,また,特に摂食困難な児を除いては,ほとんどすべての患者が肥つてくるのを認めた。
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