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筆者の一人,楢林がパーキンソニズムの患者における強剛と振戦に対して定位蒼球手術stereotaxic pallidotomyを初めて行なったのは1952年6月4日であり,その後数年で次第にVL-thalamotomyへ移行するのであるが,蒼球手術の時期に筆者らが当時の他の研究者と異なって注目したことは,手術後の長期経過において蒼球手術は筋の強剛に対しては持続的な効果を持つが,振戦に対しては一過性の影響のみを持つことであった。このことが,現在の視床VL核手術ventrolateral thalamotomyとVim核手術ventralis intermedius thalamotomyのそれぞれを強剛と振戦に対応させる解釈にまで結びつくのであるが,本稿においてはこのことについては触れない。
蒼球手術においてとくに著明に―そして軽度には視床手術でも認められるのであるが―パーキンソニズムの特有の手指の症状の変化が気づかれる。本症候群の症例で,とくに強剛が著しく振戦の少ない例では,その該当手指は強剛によるいわゆるintrinsic plus handの姿勢を示すとともに,その皮膚色が暗赤色,チアノーゼ様色調を呈し,また皮膚温度が低く,浮腫様の外見を呈することはよく経験される。
The first case of pallidotomy for Raynaud's disease by one of the authors, H.N. was carried out on May 1960 and its ten-years postoperative follow-up study was reported 1972 (Confin. Neurologica, 34: 152-155). As the usual observation during the course of stereotaxic pallidotomy for parkinsonism and other extrapyramidal disorders, the peripheral blood flow measured by photoelectric plethysmography is markedly increased on the contralateral fingers and toes within seconds after producing lesions in the internal segment of the pallidum.
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