Japanese
English
特集 脳腫瘍の臨床
〔15〕肺転移を起こした松果体部腫瘍の症例
REPORT OF A CASE OF PINEAL TUMOR WITH EXTENSIVE METASTASIS INTO LUNGS
岩田 金治郎
1
,
中島 典英
1
,
中島 正光
1
,
佐藤 秩子
2
Kinjiro Iwata
1
,
Norihide Nakajima
1
,
Masamitsu Nakajima
1
,
Noriko Sato
2
1名古屋大学医学部橋本外科
2名古屋大学医学部第2病理
1Dept. of Surgery Nagoya Univ. School of Medicine
2The 2nd Dept. of Pathology Nagoya Univ. School of Medicine
pp.815-818
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201322
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
松果体部原発腫瘍の頭蓋外転移の症例は,非常にまれなもので,現在までに報告されているものは4例にすぎない。
すなわちGoldzieher16)は16歳少年で松果体部のchorionepitheliomaの肺および気管枝周囲リンパ腺,肝臓に転移の症例を報告。Stowell, Sachs & Russel19)は15歳少年の松果体部のchorionepitheliomaを手術的に摘出したが,最初の症状発現より約3カ月で死亡,剖検にて肺転移を認めている。Tompkins et al24)は2例を報告している。すなわち第1例34歳男,手術的に摘出したが,最初の症状発現より5カ月で死亡,剖検にて両肺に数個の転移を認めた。第2例は,21歳男,腫瘍の部分摘出術施行,症状発現より17カ月で死亡。剖検にて両肺上葉と左下葉に数個,気管周囲リンパ腺に転移を認めている。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.