特集 脳の生理
〔12〕総括
時実 利彦
1
Toshiheko Tokizane
1
1東京大学医学部生理
1Dept. of Physiology, Tokyo Univ. School of Hedicine
pp.619
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201291
- 有料閲覧
- 文献概要
本シンポジアムには「脳の生理」というタイトルがでていますが,ここでは行動と脳という点に問題がしぼられています。最近,動物を対象にした実験的研究でbeha—viorが非常に大きな間題になつています。beaviorに対してはneocortexの問題もありますが,最近はIimbic system, hypothalamusとbehaviorとの関係がいろいろ実験的に研究されています。結論がでないまでも,このシンポジアムによつてこの問題が一歩前進すれば非常に有意義なことだと思います。まず新大の小池上氏にbehaviorを特に解剖学的な見地からいろいろ御研究になられた発表をお願いしました。次に徳大の中尾氏に条件行動を利用されたhypothalamusに対する辺縁系の働らきの御研究の発表があり,この二つの発表には,活発な討論が行なわれました。
四つの招待講演にうつり,はじめに新大の沢氏に神経生理学の立場からhypothalamus, amygdala,における抑制・促進の作用を中心にした発表,つづいて金大の島薗氏が大脳辺縁系の電気活動を中心とした動物の状態と脳の電気活動の研究,日医大の広瀬氏(代葉田裕氏)が人間の脳の各部と人格変化の問題を精神医学の立場から研究された発表,そして最後に慶大の林氏の条件反射病理学と続きここでも活発な討論がなされました。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.