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特集 痛み
頭痛に於ける大耳介神経遮断について
GREAT AURICULAR NEUROTOMY FOR HEADACHE
青木 秀夫
1
,
東 健一郎
1
,
徳長 雄幸
1
Hideo Aoki
1
,
Ken-ichiro Higashi
1
,
Yuko Tokunaga
1
1山口医科大学第2外科
1The 2 nd Dept. of Surgery, Yamaguchi Medical College
pp.113-115
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201198
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頭部及び顔面の痛みに対して,上頸部の脊髄神経が関係していることは周知の事実である。1953年にMasonは,三叉神経痛の患者に,頸部の皮下で大耳介神経の遮断あるいは切断を行い,相当の効果を認めたと報告している。私どもはこの方法で,第1表,第2表のような種種の疾患に対して治療を行なつているが,三叉神経痛に対しては無効であり,Masonの報告とは相反する結果を得ているのであるが,表に示したとうり,予想外に種種の疾患に対して有効である。すなわち,広い意味での非定型的顔面痛を含めて,頭蓋の外に痛みの原因が存在すると思われる疾患で,痛みを主として耳介周囲から側頭部にかけて訴えるものには,一応すべて有効である。もちろん頭蓋の中に発痛原因が存在する場合でも,臨床的には頭蓋の外の要因が加わることもしばしばあるから,このような場合もある程度は有効となる。昭和30年以来,現在迄に47例に本法を施行し,有効率は約81%となつている。
遮断あるいは切断の術式は極めて簡単である。遮断は第1図のごとく,局所麻酔薬を浸潤すればよく,切断は第2図のごとく同神経が胸鎖乳突筋後縁を廻る部まで露出して切断すれば,枝わかれがあれば発見できる。
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