Japanese
English
症例
大動脈弓遮断の1例
A Case of Interruption of the Aortic Arch.
重田 政信
1
,
吉原 昭次
1
,
大国 真彥
1
Masanobu Shigeta
1
,
Shoji Yoshihara
1
,
Masahiko Okuni
1
1東京大学医学部小児科学教室
1Department of Pediatrics, School of Medicine, University of Tokyo.
pp.403-407
発行日 1960年5月15日
Published Date 1960/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200895
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I.緒言
大動脈弓遮断(Interruption of the Aortic Arch)は胎生期左第4動脈弓の,大動脈弓部形成に与る部分の消失により生ずる奇形で下行大動脈は大動脈弓から完全に遮断されて肺動脈から血行を受けるものであり,幼若型大動脈絞窄(Coarctationof the Aorta, Infantile type)の極型と考えられる。本症は稀な奇形でAbbott1)(1927)の8例の記載の後,諸外国に於ても十数例の報告2〜10)をみるに過ぎない。本邦では沢田11)の記載がある。
本病名は元来剖検上つけられた病理診断名であつたが,近年心臓カテーテル法,血管心臓造影法等診断法の発達に伴い臨床的に診断される様になり7)9),臨床診断名となつて来たと思われる。
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