Japanese
English
文献
acroparaesthesiaと末端巨大症,他
Acroparaesthesiae and acromegaly
Johnston, A. W.
pp.862
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200988
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手掌横靱帯で正中神経が圧迫され,末端知覚異常を招くことがあり横靱帯を切除すると軽快することが最近注目されている。月様骨脱臼・出血などで横靱帯トンネルが出来ることはあるが,粘液水腫および末端巨大症などでもそうした症状がおこるらしい。Johnstonは末端巨大症5例,手掌トンネルで正中神経が圧縮されて末端知覚異常を呈したという。それまで文献に9例報告があるそうで,くわしくしらべれば,正中神経麻痺,acroparaesthesiaはもつと多いにちがいないとおもわれる。ふつうacroparaesthesiaは女子に多く,男子の6倍の頻度で,手掌横靱帯トンネルは女子の方が狭い。しかし末端巨大症では,こうした性差が局所異常発育で消失するから,末端巨大症のacroparaesthe-siaには性差が少い。女子のacro-paraesthesiaは更年期に多く見られるので,内分泌異常の関与が想像される。実際エストロジェンを注射すると軽快する例がある。末端巨大症のacroparaesthesiaは下垂体切除または有効な下垂体照射で急速に軽快する。したがつて骨変化によるのでなく,軟部組織の変化によるかと思われる。末端巨大症をエストロジェンで治療すると,手の容積が縮小する。末端巨大症の血清無機燐濃度は高く,カルシウム,燐は負の平衡で,更年期に一致する所見を呈し,骨粗鬆症をも来すことが多い。これらはエストロジェン療法で回復する。
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