増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
3.末端肥大症
中川 光二
1
1北海道大学医学部・第2内科
pp.1878-1879
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221927
- 有料閲覧
- 文献概要
■疾患概念と疫学
末端肥大症(先端巨大症)は,成長ホルモン(GH)の過剰が,骨端閉鎖後に生じたときに生じる疾患であり,骨端閉鎖前に生じたときには巨人症となる.GH過剰の原因は,ほとんどの場合が下垂体腺腫であり,したがって,GH過剰による症状と下垂体腫瘍による症状とが組み合わさったものとなる.まれには異所性GHRH産生腫瘍(この場合は下垂体は過形成になるが腺腫との区別は組織学的にも困難なことが多い)や異所性GH産生腫瘍による.
わが国で昭和48年に行われた全国実態調査では,10年間に約900例が医療機関を受診したことが推定されたが,その後6年間では約800例が新たに報告され,1年間に150例ぐらいの発生があるものと推測される.英国の一地方で,年間発生率100万人当たり3人との推計もある.男女比は,上記のわが国の初めの調査では1.2:1,後の調査では1.03:1であり,性差はほとんどない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.