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綜説
知覚に関する研究の歴史的展望
Historical Review on Sensation
祖父江 逸郞
1
,
阿部 鏡太郎
1
Sobue Itsuro
1
,
Abe Kyotaro
1
1名古屋大学医学部内科第一講座
11st Dept.of Internal medicine, Nagoya Univ. School of Med.
pp.355-377
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200579
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知覚機能に関する研究の展開は運動機能のそれに比し稍々遅れて発達した様である。然し既に,19世紀前半から中頃にかけて根本的な重要な成果が発表せられており,それが更に20世紀初頭に於いて次女と新らしい見解が展開されて華かな段階に入つたものと考えられる。やがて目覚しい発達を遂げた電気生理学の展開に刺戟され知覚方面の研究も一段とその精細さを加え近代的な発達様式を示して来たものということが出来よう。此の間にあつて組織解剖学的な検索も絶えずその歩を進めていたものであつて古い時代に唱えられていた仮説的な考え方も徐々に其の裏付けが行われて来たわけである。極めて其の研究が困難とされている知覚の受容機構に就てもあらゆる立場からその知見が次第に進み漸く明確にされ様としているのである。
こうした過去一世紀に亙る研究の歩みを色々の項目に分つて振り返つてみることにした。
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