Japanese
English
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大腦生理學の新研究法,ニュウロノグラフィーに就て
On the Neuronography, a New Method for Brain Physiology
本川 弘一
1
Motokawa, Kōiti
1
1東北大學醫學部
1Department of Physiology, Tohoku Univ.
pp.179-184
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200116
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大腦の研究法の一つとして腦波が登場してから既に20年を經過し,現在は其の應用の時代であると見ることが出來る。併しふり返つて過表の腦波研究の業積を見渡し,また現在の状態を考えて見ると,腦波そのものの本態に就て知られていることは極めて少なく,その應用の基礎となつている事柄が餘りにも不明瞭なものが多いことに驚かされるのである。腦波の研究は現在までのところ記載(または記述)の域を脱していない。勿論その記述すらも將來益々確實にしなければならない面が澤山にあり,腦波研究者が此の方面でなさねばならない仕事は盡きないであろが,大體に於て「もう行くべき所にまで行つたというような感じがしない譯ではない。
こうした感じは歐米の腦波研究の先覺者達が懷いている感じらしく,新らしい雜誌などにこうした述懷が散見する。併しそれは亞米利加あたりのことであつて,わが邦などでは,まだ腦波が研究室の一角でいじくりまわされているといつた状態であるから,もつと腦波の臨床的應用を普及させることに努力が拂われなければならないことは勿論である。
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