Japanese
English
腦腫瘍1
日本腦腫瘍の特殊性に對する疑問
Questions concerning the Specialty of the Japanese Brain Tumor
黑羽 武
1
Kurobane, Takeshi
1
1東北大學醫學部病理學教室
1Pathological Institution of the Tohoku University
pp.14-16
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200082
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腦外科研究會の發足に際して,多形性膠芽細胞腫(以下G. M.と略稱)は論議の中心となつたが,最近,中田教授は著者等の發表に對し,驚くべき数値と批判された。又,紺野(長岡)義重氏は,病床から著者に書を寄せて「人はなぜ統計を急ぐのであろうか」との質問を發した。吾人の研究は,なお進行過程中にあり,未熟の議論は差控えるべきであるが,統計の本質にふれて些か所信を披瀝したい。人はなぜ統計を過信するのであろうか。
米國と日本とが,おなじ空間であると假定して,はじめて統計の比較が可能となるのであり,若し前提に差異があれば,もはや同じ空間とは看做されなくなる。腦腫瘍とゆう問題に限定して,醫學的,社會的に,日本と米國は果しておなじ空間と看做し得るであろうか。著者は之の點に大きな疑問をもつ。
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