Japanese
English
ロボトミーに對する批判
精神病の外科的療法
Surgical Treatment of Mental Diseases.
上村 忠雄
1
Tadao Kamimura
1
1新潟大學精神科
1Department of Psychiatry, Niigata University
pp.290-296
発行日 1949年9月1日
Published Date 1949/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200056
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緒言
1936年Monizによつて精神病の外科的療法が提唱されてから各國で追試が起り,幾多の手術方法が案出されて來たが,ことに最近に於てはこの療法は隆盛を極め所謂精神外科の名で登場している。昨年8月Lisbonに開かれた國際精神外科學會にも賑やかに新手術とその治効とを謳い,宛然腦の生理實驗にも比すべき色彩を濃化している。我國でも新大中田教授は,故中村教授と提携して1938年以來この問題に從事して來たが,昨年及び本年の日本精神神經學會總會及び腦外科研究會には多くの研究報告が集り本療法が國内に普及されて來たことを物語ると共に一應其の結果を纒め,整理檢討の上新出發に資すべき言わば反省期に入つた。この時に於いて本問題は來年度精神神經學會總會の宿題として撰ばれ,中川北大助教授,竹林阪大助教授兩氏によつて總決算的な本問題の徹底的究明が企圖されることとなつたことは喜ばしい。私は經驗淺く精神病の外科的療法ことにLoboto-myを批判することは重荷であるが,本誌編輯部の要請に答えて若干の知見を述べて見たい。
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