Japanese
English
研究と報告
拘禁性精神病の臨床的研究
Clinical Studies on Prison Psycosis
森 一
1
,
長浜 宗昭
2
,
松本 啓
2
Hajime Mori
1
,
Muneaki Nagahama
2
,
Kei Matsumoto
2
1大阪刑務所医務部
2大阪市立大学医学部神経精神医学教室
1Department of Medicine, Osaka Prison
2Department of Neuro-psychiatry, School of Medicine, Osaka City University
pp.819-825
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200282
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1.はしがき
拘禁性精神病に関しては,Delbrück以来数多くの研究があり,わが国においても中6)および左座,大谷9,10),野村7,8),久保5),中田そのほかの報告がある。しかして,拘禁性精神病はこれら諸家の研究の結果,種々な素因のうえに発現する心因性疾患として承認され,種々の分類がなされているが,従来の研究はそのほとんどが精神病理学研究である。われわれは,拘禁性精神病に対する生物学的研究の立場から,本症の脳波を追求しているが相当の高率に異常脳波の出現を認めている。したがつてそれらの本症における異常脳波の出現を,その個々の症例の身体的素因の一端を示すものと考え,臨床像とその脳波所見とを対比検討した結果,若干の興味ある成績をえたので報告する。
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