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特集 内因性精神病の生物学的研究
精神分裂病の生化学的研究
Trends of Biochemical Studies on Schizophrenia
谷口 和覧
1
Kazumi Taniguchi
1
1大阪大学医学部高次神経研究施設
1The Institute of Higher Nervous Activity, Osaka Univ. School of Med.
pp.949-955
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201807
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内因性精神病の生化学的研究には1920年代から多くの努力が払われている。特に精神分裂病はいうまでもなく注目され,この疾患での生化学的異常についてなされた研究の数は厖大なものである。近くは1950年以来,種々の薬剤の開発などに伴っていくつかのトピックがとり上げられている。しかし現在までの成果は結局まずしいものであり,最近のトピックについても当初の期待に反して病因との連関は不確かのまま時がすぎている。問題はまことにむずかしく,直接解決しにくい難関が至るところで防害する。これまでの報告にはそれぞれ難点があっていずれも同じような批判をこうむっているが,現段階では「精神分裂病」の病因を直接生化学的にとらえることを,むしろのぞまない方がよさそうにさえ思われる。
問題が困難である要因としては次のようなことがあげられよう。
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