Japanese
English
--------------------
中腦の腹内側部における注目すべき縱走纖維群について
The Longitudinal Nerve Fibers in the ventromedial Part of the Midbrain.
草間 敏夫
1
Toshio Kusama
1
1東京大學醫學部腦研究室
1Tokyo U.
pp.25-30
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200004
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
昭和22年の春,大阪で開かれた日本醫學會總會の際,余は解剖學會において,中腦上部の正中線にそうて背腹の方向に走るいはゆる直纖維(fibrae rectae)について,主として家兎を材料として所見をのべた。これはおそらく視床下部よりの下行路を示すものとして大いに注目に値すると思ふのである。その後,この問題をさらに山羊において研究中,Luys氏體の下端の高さ(第1圖)で,乳頭體やLuys氏體とForel氏被蓋域の間にかなり豊富に存在する縱走の瀰漫性纖維群が,中腦に達することは同じく視床下部よりの下行路として重要視すべきものと思はれたので,これについて所見の概略を報告する。
從來の諸文献にてらして間腦下部におけるこの場所は體温,呼吸,血壓,睡眠,意識障害などに深い關係があるらしいので,この研究は植物性機能の傳はる道を追究することになると思ふ。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.