動き
「第3回日本総合病院精神医学会」印象記
福居 顕二
1
1京都府立医科大学精神医学教室
pp.328-329
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904924
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第3回日本総合病院精神医学会総会が,1990年12月1日帝京大学精神医学教室の風祭元教授を会長に東京の日本都市センターにて開催された。参加者は第1回(160名),第2回(190名)を上回る215名であった。
プログラムは一般演題が45題あり2会場に分けて行われた。今回もコンサルテーションリエゾン関係の演題が最も多く24題,ついで精神科救急7題,アルコール2題,摂食障害2題,分裂病2題,躁うつ病2題,心身症ないしメンタルヘルス2題,MRI検査2題,思春期1題,精神科の標榜1題であった。コンサルテーション関係では,ICU,せん妄,腎移植,癌告知,medical psychiatry,リハビリテーション,精神科患者の手術あるいは妊娠,などの演題が集まった。なかでも2題のmedical psychiatryの演題では,精神科医がどの程度まで身体医学の専門的知識を持って治療を実践するのかについて活発な討論があった。精神科救急では7題とも自殺企図患者についての発表があり,その背景,治療,転帰に関しての問題点について意見の交換がなされた。2会場のため全部の演題を聞くことはできなかったが,そのほか,摂食障害患者の再養育療法や内科病棟での治療,アルコール症者の一般科内での治療ユニット,脊損患者のリハビリや心臓リハビリの発表などが印象的であった。また,最近一般化してきたMRI検査において閉所恐怖症が悪化することがあるという発表が2題あった。
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