Update'08
「第16回日本総合診療医学会」印象記
北村 大
1
1市立堺病院総合内科
pp.469
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101434
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2008年3月8・9日,オリンピック代表選考の目玉だった名古屋国際マラソンを横目に,名古屋大学医学部総合診療部・伴信太郎教授の主催のもと,第16回日本総合診療医学会学術集会が名古屋市公会堂で開催された.会場内の至るところで,同総合診療部の先生方が会場設営をされた手作りの学会は,大変温かみのあるものであった.趣のある建物のなかは500名を超す参加者で溢れ返り,各部屋でのイベントは準備された椅子では収まりがつかないほど賑わっていた.
講演・シンポジウムは興味深い内容が多かったが,とくに総合(診療)科の標榜・専門医制度にむけて厚生労働省,医師会,3学会を交えてのディスカッションが興味を惹いた.医師会の標榜科・専門医制度へのコメントは曖昧で建設的な内容が少なかったが,3学会全体の歩み寄りは徐々にみられている印象にあった.専門医になる研修施設は各専門科では大病院指向が多いなか,診療所・小病院の医師への専門性を認める制度が現在はないが,今後その専門性は認められるべきであろう.認定試験・制度は,世間に総合(診療)医の質を提示するためにも早急に3学会合意のものが確立されたらと思われる.
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