動き
「第24回日本てんかん学会」印象記
清野 昌一
1
1国立療養所静岡東病院〈てんかんセンター〉
pp.327-328
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904923
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第24回を迎えた日本てんかん学会が,はじめて海を渡って沖縄県那覇市で開かれた。会長は琉球大学脳神経外科の六川二郎教授,会期は1990年11月16日と17日,さいわい秋晴れの良い天気に恵まれた。本年は沖縄の魅力もあってか一般演題の応募が多く,283題に達した。会長をはじめとするプログラム編成の苦労がしのばれた。会長講演は「外科医から見たてんかんの治療」,特別講演はモントリオールのY. L. Yamamoto,シンポジウムは「てんかん性興奮の伝播―たてかよこか」,スペシャルセッションは「てんかんの病態に関する生物学的研究―発作発現のメカニズム(3)」と「てんかんと運転免許」,ランチタイムセミナーは「てんかん,てんかん症候群および発作性関連疾患の国際分類」であった。それぞれのテーマは,時宜を得た選択であったと思う。
Yamamoto教授による特別講演は「側頭葉てんかんにおけるPETの最近の進歩」であり,PETによって明らかにされる局所的エネルギー代謝と脳血流,神経伝達物質レセプターの変化とてんかん原性の関係について最近の知見が紹介された。ヒトの側頭葉てんかんにおいて,GABA-Aレセプター機能の局所性定量が可能になってきているという。
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