動き
第13回日本てんかん学会印象記
大熊 輝雄
1
1東北大学医学部精神医学教室
pp.1385-1387
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203039
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1.てんかん研究会から日本てんかん学会へ
第13回日本てんかん学会総会は,昭和54年10月19日(金),20日(土)の2日間にわたって長崎市長崎大学医学部において,長崎大学精神神経科高橋良教授が会長となって行なわれた。学会前日から第1日にかけて台風が日本列島を襲ったが,長崎は学会の2日間とも好天にめぐまれ,全国各地から約350人が参加してきわめて盛会であった。
今回のてんかん学会は,従来の日本てんかん研究会から,正式の学会としての「日本てんかん学会」にと発展した第1回の学会である点で,わが国のてんかん研究の歴史のうえで大きな意義をもっている。日本てんかん研究会は,文部省の研究班として昭和42年(1967年)に発足し,第2回の会合(昭和43年)で日本てんかん研究会と呼称することになり,その後毎年1回ずつ研究会を開催し,semiclosedの形で運営されてきた。しかし,近年わが国でのてんかん研究者の数がますます増加し,またてんかんの研究は精神神経科,小児科,神経外科,神経内科などの臨床分野はもちろん,神経科学をめぐる基礎医学領域をも包括した学際的な研究活動が要請されるようになったので,わが国におけるてんかん研究をさらに推進するためには,本格的な学会の設立が必要とされるにいたった。このような背景のうえに,昭和53年(1978年)日本てんかん研究会が発展して日本てんかん学会となり,本年第1回(日本てんかん研究会から通算して第13回)の学術集会および総会が開催されるにいたったのである。
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